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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter99 『決意』 99-24


『誰かを、探していた。』

【・・未来で出会うから。】

【未来で、あなたは、彼に出会うから。】

『“彼”・・。 それが、“夏樹”のことだと。』

『あの時の僕は、知らなかった。』

(繰り返す思考の中で、聖は。 目を閉じ、思い出していた。)

【・・連れて行って・・。】

『・・目的の場所まで、彼女を連れてゆく。』

『そのつもりだった。』

『だが・・。』

『僕は、彼女の覚悟を感じた・・。』

『彼女は、誰かを。』

『世界を。 自らと引き換えに、救うために、舞い降りた。』

『僕は、彼女の願いを叶えるのが、恐ろしくなった。』

『目的の場所に、彼女を連れだせば。』

『その先は、無い。』

***

「・・う・・。 ・・う。」



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