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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter99 『決意』 99-27


『・・僕が愛せば、彼女は死ぬ。』

『だが、この手から。』

『失いたくなかった・・!』

(ガラスの床に横たわる、聖の身体は冷たく。 白いスーツが、腕が。
七色に輝く美しい“欠片”の中から、逃れようともがいた。)

(舞い落ちる“欠片”が、静かに煌めき、降り注ぐ。 自ら望んだ世界に、
聖は苦しみ。 “欠片”は重さを増し。 身体を埋める。 目を閉ざすことも出来ず。
見開かれた金色の瞳に、粒樹の成れの果ては、残酷に美しく煌めき。)

(思考の中の聖の目から、止めどなく。 涙が溢れた。)

『どうしても・・!』

『留めたかった・・!』

『この世に・・。』

『・・生きていてほしかったんだ・・。』

(聖の想いは強く。 思考の中の聖を閉じ込める、ガラスの部屋の壁を振動させた。)

『僕は他に・・。 愛するべきことを知らなかった。』

ゴォォォォーッ!!

(抑え続けている聖の想いは、空間を揺らし。 思考の壁を、圧迫した。
波動は夏樹に届く。)

『・・そして・・。』

『その時が、訪れた。』



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