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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter99 『決意』 99-28


(夏樹は、目を閉じ。 自らの心音と向き合った。)

「・・その時。 粒樹は、何を思っていたのだろうか。」

『彼女の心音は。 聖の腕の中で、小さくなる。』

『だが、心は満たされていた。』

***

『僕は、傲慢で 誰よりも汚い。

彼女を助けるふりをして。

彼女を自分の物にしたかった・・。』

『ただ、愛したかっただけだった・・。』

(記憶に、聖は苦しみ。 想いは流れ出す。)

***

ゴォォーッ!

ドォォォーンッ・・!!!

(記憶はまた、別の記憶へと飛び。 黒く深い“闇”が、辺りを覆い尽くしていた。)

(海の香り、黒い飛沫。 曖昧な記憶の中に、甦る断片は、夏樹を苦しめる。)

『傲慢な僕の愛に、彼女の運命を変える力は無い。』

『彼女は、僕の手から離れ。 目的の場所へ行った。 目的を遂げ。 

死んだのだろうか・・?』

『・・いや。 この僕が。』



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