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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter99 『決意』 99-29
『彼女の最後の時を奪い、死に追いやったのだ。』
***
「そうじゃない・・、聖。」
「彼女は、幸せだったんだ。」
(夏樹は、聖の思考を追いながら。 あるいは、届くのではないかと。
自らが感じた、粒樹の想いを、心の中に念じた。)
***
バシャシャッ・・ ピシャンッ・・
ピチャン・・
(巨大な波が去った後、その場は黒い滴で覆われていた。 断片的に映る記憶は、
夏樹の中に、閉ざされており。 何が起こったのか。
全貌を、夏樹が見ることは、出来なかった。)
『僕は、彼女の後を追い。 夏樹を見つけた。』
『あの海で、見た景色は。 二度と、忘れることが出来ない。』
『僕の手に残ったのは、小さな“欠片”一つ。』
(過去の聖は、震える手で。 小さな一粒を握り締めた。
凄まじい嵐が去ったあと。 海辺は、目が覚める程、青く。 輝く青空の下。
全てを押し流した波は去り。 白い砂浜に、小さな少年が残されていた。)
サクッ サクッ
(強い風に吹きさらされた二人は、海の砂と、波しぶきの滴を浴び。
輝く太陽の下に。 取り残されていた。)
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