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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter99 『決意』 99-3


闇夜と違う圧力が。 自ら施した力の壁を。 今にも押し戻そうと、
その場を包囲していることを感じ。 張り詰めた空気に、瞬いた。)

「・・“闇”の力は、あふれ出ようとしている・・。」

「彼に留めることが、できるかしら・・?」

(薄紫の瞳は、再び。 男性を見た。)

「彼自身が、知りたいと思っている。」

「何が起こったのか・・。」

「“闇”がなぜ生まれ。」

「愛する人を。 失ってもなお、自分は生きるのか。」

(花のような唇は、静かに語り。 寝所から駆けつけた、黒いレースのネグリジェが
艶やかな肌を滑る、妖艶な姿に。 男性は目を細めた。)

「ひっひっ。 笑わせんなや、お嬢ちゃん。」

「都合の良いときに。 あいつの記憶を奪い。」

「次は、あいつを壊すために。」

「記憶を与えるつもりだろうが・・? ええ? 違うかい?」

「機密がバレようが。 国の失態なんざー、FOTには関係ねーさ。」

「欲しいのは、“鍵”だろうが・・。 国の味方するふりしてよー。」

「じわりじわりと、時を待つ・・。」

「良いねぇ・・。 あいつが“闇”に染まれば・・。 “鍵”を手にするチャンスが来る。」



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