HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter99 『決意』 99-37


カチャン・・

パシャッ・・

(聖は、銀の指輪の光る手で、美しいカップを拾い上げると。
静かに、傾けた。)

(温かな湯気と香りを運ぶ、琥珀色の紅茶は、ゆっくりと、
トレイの上に、こぼれた。)

ピチャン・・

「・・聖様。」

(橘は、眉根を寄せ。 表情を曇らせた。 カップからこぼれ落ちるのは、
千波が、最後にと。 手向けた、聖への想いだった。)

「彼を・・・壊さなければ・・・。」

「鍵を・・・奪わなければ・・・。」

パシャッ・・ パシャ・・・

(琥珀色の流れを見つめる、金色の瞳は、うつろで。
夢うつつを彷徨うようだった。)

(だが、口元は、微笑んでいた。)

「もう一度、“闇”を起こすのだ。」

「あの日のように。 君を失った“闇”の中。 僕は、君を探そう。」

「くっくっくっ・・。」

ガチャンッ・・ パリリッ・・ ピチャンッ・・



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