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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter99 『決意』 99-39


「夏樹様のことで、ございます。」

(橘の灰色の瞳は、鋭く輝き。 聖を睨んだ。)

「あのお方は、手強い。 簡単に、許しませぬぞ。」

『許しも、救いも。』

『永遠に、訪れないのならば。』

(金色の瞳は、大きく見開き。 ギラギラと光り、声をあげて笑った。)

「あっはっはっ・・! くっくっくっ・・。」

『・・叶えられないと。』

『認めてたまるか・・。』

『僕の前に、立ちはだかる者。』

(夏樹を思い描くことで、金色の瞳は次第に力を宿し。 生気を得、みなぎる力が、
乱れる銀色の髪を、光らせ。 波動が、蒸気のように、きらきらと細い髪を揺らした。)

「その姿を。」

「この目に焼き付けたい。」

(振り絞る、聖の言葉には。 深い愛情と、憎しみが込められていた。)

「彼は・・、二度と戦えなくなるだろう。」

***

「・・・っ!」



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