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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter99 『決意』 99-40


(夏樹は、息を飲み。 堪えた。)

「(ごほっ。 ごほっ。)・・・。」

「はぁ・・。 はぁ・・。」

(届く波動に、吐き気を覚え。 夏樹はうつむいていた。)

カタンッ

「どうしたの? ・・夏樹くん。 大丈夫?」

(異変に気づいた紫苑が、ベッドから起き。 窓際にやって来た。)

「・・・、ひどい汗。 待ってて。」

(紫苑はスリッパを履き。 備え付けのクローゼットから、
柔らかなタオルを選ぶと。 夏樹のそばに戻った。)

(窓の外は、少し明るんでいた。 夜から、朝に変わり始める、
外は穏やかに見えたが。 夏樹の中に起こる変化に、紫苑は息を飲み。
緊張した面持ちで、そばに寄った。)

「夏樹くん・・?」

(紫苑は、寝ぐせで乱れたベージュ色の髪もそのままに、真剣な表情で、
夏樹の顔を覗き込んだ。)

・・ドクンッ・・

「・・・。」

(夏樹の表情は辛そうで。 答えることが出来ない様だ。 蒼白な顔から首筋に、
玉の汗が、流れ出ていた。)

『君は・・、自由になるべきだ。』



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