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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter99 『決意』 99-44
(夏樹は、紫苑からタオルを受け取り。 緊張感から解放され、
大きく息を吸い込んだ。)
(強い思念に捕らわれていた身体が、ふいに自由を得て。
四肢がきしんだ。)
「彼女はきっと、もう一人の母のような存在だ。」
「痛みと、命と引き換えに。」
「僕を、守ったんだ。」
「粒樹が、僕に救いを求めている。」
「聖を、助けてほしいと、言っている。」
(夜明け前に、静かに明るみ出す闇の中。 深い、紺色の瞳は、強く煌めき。
間近に、真っ直ぐに、紫苑を見つめた。)
「・・うん。」
(何かが動き出す予感に。 二人はしばらく、静まる朝の時の中で、
互いを見つめた。)
『“闇”の呪いは、深く、強く。』
『僕の中で、鼓動している。』
『ソラの国を滅ぼそうとし。』
『君のいるこの街を・・。』
『この世界を、“闇”に染めようとしている。』
(紫苑は、はっとし。 思い出したように、立ち上がった。)
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