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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter99 『決意』 99-51
・・ゴウンッ・・
・・ゴウンッ・・
(何かが、山門の向こうから、こちらを見ている。
艶は、その気配を感じ。 息を飲んだ。)
(妖魔のものとは思えぬ、邪気が、山の向こうから流れ出て、
こちらへ向かって、押し寄せてきている様だ。)
(強い翡翠家の結界と、聖の創り出す結界が重なり。
強固な守りを生むその場所でさえ、四方からの圧力に、
揺らぎを見せる。)
「誰かおる・・。」
「・・、兄上を探しておるのか・・。」
(門の向こうへ、身体を向けた艶に、楓は腕に触れ、引き止めた。)
「姫様、なりませぬ。」
(艶は漆黒の瞳を輝かせ。 暗闇を睨んだ。)
「・・、お前の様な者に、ここは通れまい。」
「わらわが、通さぬ。」
ボボッ・・
(小さな炎は赤く燃え。 艶の瞳に、赤い熱を映す。)
「敵は、必ず動く。」
「時を待っておるのじゃ。」
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