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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter99 『決意』 99-57
「FOTを、俺に預けてくれないか?」
(真剣な晃の問いかけに。 皆は、わずかの間、沈黙し、頷いた。)
「ええ。」
「少し寂しいけれど。」
(葵は静かに微笑み、光を見た。)
「晃。 俺は、どうかと思うぜ。」
「ただでさえ、夏樹が狙われてるっていうのに。」
「敵に命を狙われているお前を、指揮官にして。」
「俺たちは、ただじゃ済まない。」
(光の隣で、白は、長い腕を投げ出し。 テーブルに顔を埋めながら、
笑った。)
「僕は〜・・、ボスは〜・・。 誰でもいいけどね〜・・。 ぐぅ・・。」
(白は、テーブルに突っ伏し、寝息をたてる。)
「くっくっ。 ありがとう、白。」
(葵は、皆の様子を見つめ。 晃に補足した。)
「数馬さんは、お部屋でまだ寝ている。 艶さんは、翡翠のお家に帰られているけれど。
きっと二人も。 それに、夏樹さんも賛成してくださるわ。」
(晃は頷き。 簡単にはいかない状況に肩をすくめ。 空席に目をやった。)
「夏樹に、あいつの相手は、させられない。」
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