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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter99 『決意』 99-59


「“闇化”は再び、必ず起こる。」

「剛が、国から得た情報は確かだ。」

(晃は、切れ長の瞳を煌めかせ。 鋭く、前を見た。)

「“結界”に頼るな。」

「“闇”は、現実の世界に、あふれ出す。」

「俺たちが戦うべきは、この現実の世界だ。」

「流れ出た“闇”は、創られた異空間ではなく、

俺たちの住む現実を襲う。」

「絵空事は、終わりだ。」

「現実は、異空間と違い、壊れれば、元に戻すことは出来ない。」

「簡単に、やり直すことは出来ない。」

「そこには、生きた人がいる。」

「だが、恐れるな。」

「俺たちには、守るべきものがあるということだ。」

(力強く言い放つ、晃の双肩に。 強い波動を感じた。)

(皆、静かに晃の声に、耳を傾け。 うなずいた。)

「ああ。」

「ええ。」



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