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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter99 『決意』 99-6


「私が、耐え切れず。 今すぐ記憶を、開放しようとしているのではないわ・・。」

「彼の心が、そう望んでいる。」

(薄紫の瞳は、静かに狐次郎を見た。)

「まさか・・、国が記憶の開放を望んでいると思ったの?」

「いいえ。 国は、危険な賭けはしない。」

「私の力だけでは、やがて彼を抑えきれない。」

「だから・・。 一思いに解決の道を見出そうとしているの。」

(葵は静かに微笑んだ。)

「・・安心して。 彼が、この部屋の向こうに、

広がる。 あの海辺に自ら辿りつくまで。」

「私は、彼を守るわ。」

(狐次郎の、鋭い瞳が葵を見つめた。)

「・・。 No.0-3殿がいる。」

(葵は、嬉しそうに笑った。)

「“闇”を引き起こすことも。 夏樹君を夏樹君のままに留めることも。」

「たとえ、菖蒲さんが力を使わなくとも。」

「傍にいることで、」

「どちらの未来も起こりうる。」



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