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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter99 『決意』 99-7


「そう、占いに出たわ。」

(葵は、未来を受け入れようと、覚悟を決め。 瞳を潤ませた。)

『未来は、これから決まるの。』

『まるで、二人は。 運命共同体。』

「未来を、選ぶのは。」

「夏樹さん自身。」

「私たちが、この先に眠る、過去の記憶をこれ以上抑えることは出来ない。」

「そして、何が起ころうとも。」

「未来を、受け入れるしか。 ないのよ。」

(狐次郎は、肩を揺らし。 諦めがちに笑った。)

「ひっひっ。 良い覚悟じゃねーか? お嬢ちゃん。」

「死の街を。 もう一度目にしようっていうのかい?」

「ふぅ〜・・。」

(一筋、夜空に煙を吐くと。 狐次郎は、煙草の火を消した。)

「『俺が、あいつの記憶の入り口に立てるのは。』

『同じ時。 俺もその場に居たからだ。』

「もう一度、あの地獄を見る日が。 来るとはなぁ。」

(黄色の瞳が、目を細め。 瞬く星を見た。)



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