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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter99 『決意』 99-62


「僕は、母さんや。 父さんに会ってみたい。」

「今の僕を見たら、何て言うだろうか。」

(深い紺色の瞳は、揺らいでいた。)

「“闇”を無くしたいのは、他の誰のためでもない、僕自身のためだ。」

「すべてのことは、僕のために起こったことだ。」

「誰かを守りたいなんて・・。」

「僕は、そんなに良い人間じゃない。」

「どうすれば、終わりに出来るか。 僕は知っているんだ。」

「今この瞬間にも、戦いを終わらせることが出来る。」

『僕は、頑張れているだろうか?』

「でも、それなのに。 惜しいと思ってしまう。」

「こうして、夜明けを見たいと、思ってしまうんだ。」

(終わりを心に誓っても、湧き上がる衝動が、夏樹を前に向かわせた。)

「いつか、終わりが来る。」

「その時、僕は、誇れるだろうか。」

(静かな問いかけに、答えを見いだすように。 水平線の向こうにオレンジ色の輝きが
見え始めた。)

サクッ サクッ・・



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