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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter99 『決意』 99-65
(菖蒲は愕然とし、立ち上がれないまま。 砂浜に尻もちをつき。
さざ波が、黒の燕尾服を濡らすまま、砂と波に汚れた、上着を両手で掴み。
絶望的な声をあげた。)
「・・これしか、替えを持っていないのに・・;」
(美しい燕尾服とズボンは濡れ。 金の装飾と、頬。 艶やかに長く、後ろに
一つに縛った髪に。 白い砂がついていた。)
「くっくっくっ。」
(不意打ちをくらい、受け身を取れなかった菖蒲を見て。
満足気に、夏樹は笑った。)
「///きゃぁっ。 菖蒲さんっ!///」
「もうっ!/// 夏樹くんっ!」
「菖蒲さん・・、大丈夫?」
「つかまって。」
(紫苑は、波打ち際に。 打ち寄せる波を避けながら、可愛らしい靴で。
柔らかなスカートを揺らし。 菖蒲に、躊躇いがちに手を差し伸べた。)
「あ・・、お嬢様すみませ・・。」
(菖蒲がほっとして、紫苑の手を取ろうとしたので。
夏樹は、咳払いし。 二人の注意を逸らした。)
「んんっ。 波が、来てるよ。」
ザブーンッ・・! ザザザッ・・
「きゃぁっ!///」
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