HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter99 『決意』 99-66


「ああっ///;」

(紫苑のスカートと靴も波に濡れ。 菖蒲は、立ち上がれず、次の波に飲まれた。)

ゴォォォォーッ

(赤い羽根が舞い飛び、砂浜の上に。 幾人もの人影が降り立った。)

タッ タッ

(遠くホテル側から、砂浜へ。 賑やかな声と足音が駆け下りて来る。)

「夏樹〜〜っ!!」

(聞こえてきた元気な声に。 夏樹は視線を上げ、顔を輝かせた。)

「千波ちゃん。」

バッ・・ トッ・・!

(千波は、駆け寄りざま、手にしていた大きなトランクを砂浜に投げ出し。
足元に、白い砂を巻き上げ。
夏樹に、力いっぱい抱き着いた。)

「・・。 お待たせ。」

「ん・・。」

(夏樹は、嬉しそうに千波を支えた。)

「お屋敷には、お暇をもらってきたわ。 大丈夫。 作り置きはたくさんして来たし。」

「メイちゃんに、留守の間、たのんだから。」

(千波は、思わず放ってしまった、荷物の方に振り向いた。)



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