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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter99 『決意』 99-67
「ソラくんが、迎えに来てくれたの。」
(夏樹は、静かに微笑んだ。)
「無理しないで。 千波ちゃん。」
(千波は、海風に明るい茶色の髪を揺らし微笑んだ。)
「へいき。 砂浜にいるから。 怖くないわ。」
(夏樹は、千波の短い髪に留められた。 小さなクローバーの髪飾りを見つめた。)
「そっか。」
(夏樹が、聖のことを聞いたのだと、千波にも分かっていた。)
「夏樹。 お姉ちゃんが、ついているからね。」
(千波の言葉に、深い紺色の瞳は大きく見開き。 煌めいた。)
「・・ありがと。」
(嬉しそうな夏樹の耳に、波打ち際で、賑わう声が聞こえてきた。)
ザザーンッ・・
「なんだっ! もう泳いでんのか? 気が早えーな。」
「あっはっはっ!」
(ソラは、波に流される菖蒲を覗き込み。 面白そうに笑った。
鮮やかな水色の髪が、海風に吹かれるのを、菖蒲は。 濡れた眼鏡の奥から、見上げた。)
「ソラ様・・。 そう、見えますでしょうか?」
(笑い声に、佐織も覗き、側の春人に向かって、声をかけた。)
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