HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter99 『決意』 99-83


「菖蒲くん。」

「そうね。」

「あの人は、いつも心の中で泣いてた。」

「だけど、本当の自分は、涙することができないの。」

(千波は、夏樹を見た。)

『夏樹。』

『お姉ちゃんは。』

『夏樹に、そうなってほしくない。』

「心のままに、生きてほしい。」

『大丈夫よ。

お姉ちゃんが、ついているわ。』

ザザーン・・ ザザーンッ・・

(熱い海風が、皆を包み込んでいた。)

(駆は、佐織と並び、夏樹のそばに来た。)

「夏樹っ! 聞いたかっ?」

(駆は、嬉しそうに夏樹に肩を組み。 笑い、高揚する気持ちが、
近づく駆の熱い体温のように、肌に伝わり。
照れくさく、つられて夏樹も笑った。)

「・・聞いた。 良かったな。」



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ