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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter99 『決意』 99-9


「聖さんが・・。」

「彼をここから・・。 開放したがっている・・。」

「そして・・。」

(薄紫の瞳が。 破壊しつくされた建物の壁の向こうへ。
その先、揺らぐ結界が輝く先へ。 静かに、星の煌めく夜空の先へ。 意識を向けた。)

「誰かが指輪に触れている・・。」

「“闇”に染まるのを・・。 望んでいる・・。」

***

ドクンッ

ドクンッ・・

(遠く空の彼方。 紫苑の細い指先が。 指輪に触れた。)

チリンッ・・

(小さな指輪は、輝き。 記憶と現実の世界。 夢の世界を繋ぎ止めた。)

チリンッ・・

・・チリリッ

***

シャラララランッ・・

バラバラバラ・・ッ

(星屑のように、どこからともなく、降り注ぐ。 小さな、“欠片”が舞い落ちた。)



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