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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter99 『決意』 99-91


(夏樹の胸は、強く、苦しく鼓動した。)

『この力が無ければ、僕の価値はない。』

『僕は、“鍵”を守る入れ物だった。』

『皆が求めているのは、“時の欠片”と“鍵”だ・・。』

(物思いにふける、夏樹の傍で。 紫苑は、穏やかに微笑んだ。)

「夏樹くん・・。」

(海風が、包みこむ中。 夏樹は、自分の心の声を聞いた。)

【・・壊してしまえばいい・・。】

『君を見ると。』

『そのままの僕を見てほしいと思ってしまう。』

『全てを狂わせ、幸せを壊す。』

『“闇”が僕の中に、眠っている。』

『それなのに、それさえも、さらけ出してみたい。』

【・・外へ・・出たい・・。】

『“鍵”が、僕の中で。 外へ出たいと、叫んでいる。』

【・・いっそ・・。】

【・・彼女を。】

【壊してしまっても良い・・。】



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